2016年度 理事長所信並びに基本方針



第59代理事長 橋村 英明

「 感 謝 」
〜 一日一日を輝き放つ青年であれ 〜

はじめに

朝起きて当たり前の様に出社し、帰宅すると当たり前の様に家族が迎えてくれます。そんな当たり前の光景が明日も、明後日も、ずっと続いていくと私は信じていました。鹿島青年会議所会員の多くが、そして日本人の多くが、そう信じているのではないでしょうか。今日の平和な日本は、英霊や先達が将来を案じ、身を捧げて創り上げてこられたお陰です。今を生きる私たちはこの事実を絶対に忘れてはいけません。そして、人は誰しも一人で生きていくことはできません。私たちはたくさんの人たちに支えられ、私たちを取り巻く環境のお陰で生きていけるのですから。

私は2011年8月に脳腫瘍を患いました。今では無事に回復し後遺症もなく日々の生活を送ることができていますが、当時は大変困惑し、不安で押し潰されそうになる中で、当たり前の日常がこんなにもかけがえのないものだと痛感しました。私はこの経験のお陰で一日一日を後悔のないように大切に過ごすこと、そして、自分を支えてもらっているたくさんの人たちや、自分を取り巻く環境に“感謝”をすることで、自分の行動に責任と自覚を持ち、一人でも多くの人に恩返しをしていこうと決意しました。“感謝”は思っただけでは伝わりません。“感謝”の心は行動に移してこそ、相手に伝わるのです。

青年会議所は明るい豊かな社会の実現を目的とした組織です。同時に、私にとっては前述の経験を踏まえ、運動や活動によって社会への“感謝”の心を恩返しという形で具現化することができる舞台でもあります。そんな素晴らしい舞台である鹿島青年会議所の理事長を務めさせて頂く本年度は、かけがえのない仲間と共に、かけがえのない時間と“感謝”の心を共有し、全ての行動に責任と誇りをもってこれからの鹿島青年会議所の進むべき道程を明るく照らし導いて参ります。

組織の礎を構築する

鹿島青年会議所は、これまで幾多の継承と新たな挑戦を繰り返すと共に、地域で活躍される多くの先輩方を輩出しながら、58年の歴史を紡いできました。また、40歳で卒業を迎える青年会議所のシステムの中で、多くの志高き青年の代謝を繰り返し、時代が移り変わってもその高き志は普遍的なものとして継承されています。現在の鹿島青年会議所の会員構成は入会して3年未満の会員が約半数を占めている状況です。この状況を鑑みると、改めて継承していくべき志を会員一人ひとりが強く意識し、率先して行動しなければなりません。会員の資質という名の光が結集し、組織の新しいチカラとして輝きを放とうとしている今こそが、運動の推進力をさらに向上させる好機です。

まずは、全会員が活動していく上で一定の資質を備え、組織全体で運動に対する意識を共有するために、JAYCEEとしての基盤となる理念や知識の定着を目的とした新入会員の教育システムを構築します。そして、全会員の資質向上と意識を高く維持し、運動の推進力をさらに向上させるために、これまで実施し、蓄積されてきた研修事業を改めて検証し、これからの鹿島青年会議所の指標の一つとなる会員研修の手法を確立します。

志を同じくする仲間と共に歩むことができる環境へ“感謝”し、切磋琢磨しながら地域に必要とされる人材へと成長し、地域になくてはならない組織へと昇華していくための礎を構築します。

自己肯定感を持ち、未来を描くことができる青少年の育成

「ふるさとに誇りを持ち、心豊かでたくましい子どもを育む教育を推進します」 これは、第六次鹿島市総合計画の素案にある一文です。近年、鹿島市のみならず全国的に道徳教育の重要性が叫ばれています。この背景の一因には、現代社会における利己主義の蔓延や、自己肯定感の喪失、他人との積極的な関わりを持つことへの意識の低下が挙げられます。子どもたちにとって先ず重要なのは「自分は大切な存在だ」「自分はかけがえのない存在だ」という自己肯定感を養わせることです。しかし、この自己肯定感が強すぎると、単なる個人主義になってしまいます。そこで重要になるのが「自分は沢山の人や物に生かされている」と感じることができる心を同時に養うことです。つまり、公の中に自分が存在し、公にとって自分は大切な存在なのだという事を教えるのです。その一翼を担うのが道徳教育にあると考えます。

戦後、GHQの統治政策によって日本人が大切にしてきた道徳心や愛国心は希薄になってしまいました。もちろん私も戦後教育を受けた一人であり、それを信じて疑うことはありませんでした。しかし、青年会議所に入会し、子を持つ親となり、様々な社会問題と向き合う中で、これまで当たり前だと思っていた教育のあり方について疑問を抱くようになりました。今の子どもたちは自分の住み暮らすこの国を、この鹿島を誇りに想うことができているのでしょうか。自国のことを語れない国民が国や地域のことを想うはずもなく、ましてや他人のことを想うはずもありません。今こそ自国の成り立ちや地域の歴史を学ぶことで、公の精神の基となる愛国心や愛郷心を育み、他を慮る心といった日本の伝統的な美しい精神性を根付かせることのできる青少年育成事業が必要です。

創立55周年の時に改定した運動指針「鹿島JC道」の中の一つに「未来へ繋がるバトンづくり」という指針があります。未来へ繋がるバトンを託すために、まずは、この地域の子どもたちを取り巻く環境と、子どもたちを育てている大人の現状を把握します。そして、子どもたちに自分を支えてくれている人たちや、取り巻く環境のお陰で生かされていることに“感謝”をする心を伝えると共に、子どもたちを育てる地域の大人へ道徳教育の重要性を伝えていきます。

私たち大人が地域と連携を図り、子どもたちの手本となる背中を見せることで、自己肯定感を持ち、未来を描くことができる青少年を育んでいきます。

メディアを活かしたブランディング

鹿島青年会議所は、これまで混沌という未知の可能性を切り開くために、様々な運動を展開してきました。より多くの市民の皆様に想いや情報を発信し、一人でも多くの共感者を生み出すことができれば、運動の輪はさらに大きく伝播し、市民の皆様にとって鹿島青年会議所の存在意義がより明確なものになると信じて疑いません。少子高齢化が進み、地域の存続すら危ぶまれる状況において、先輩方の想いを継承し永続的に運動を展開していくためには、市民意識変革に繋がる質の良い事業構築と、今まで以上の情報発信を心掛け、市民の皆様の理解と協力が必要です。

幸いにして昨今、インターネットの普及によって電子媒体の情報発信が容易になり、とりわけフェイスブックやツイッターを始めとするSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)については、情報伝達の既成概念を大きく変えられました。この好機を逃すことなく、一人でも多くの共感者を得るために、対外発信力を強化すると同時に、明確な意図と一貫性を持った情報を継続して発信することで、志を同じくする仲間と共に運動に対する理解と協力を獲得していきます。そして、鹿島青年会議所の魅力や展開する運動の本質を発信することによって、同じ地域で活動する他の団体との差別化を図り、唯一無二の組織としてのブランドアイデンティティーを確立していきます。

私たちが展開する運動の輪をより大きく、永続的なものとしていくために、情報の発信を主軸に据え、長期的なビジョンに基づいたブランド戦略を展開し、鹿島青年会議所の活動や運動に対して、ひいては市民の皆様にとっての鹿島青年会議所という組織の存在意義を明確に感じてもらえるように導いていきます。

ネットワークと足を使った会員拡大

会員拡大率33%とは、会員拡大に成功した人数が期首会員数の33%に達することを差し、日本青年会議所の拡大褒賞の基準となっている目標数値です。2013年度、私が会員拡大担当委員長を務めさせて頂いた時に、目標を達成し褒賞を受賞することができました。これも一重に当時の理事長をはじめ全会員が一丸となって取り組んだ結果です。やはり会員拡大とは、全会員が一丸となって取り組むべき活動であると同時に、市民の意識変革運動だということを認識し、最後は理事長が纏う牽引力と情熱が人の心を動かすのだと実感しました。

もう一度、会員拡大率33%を達成し、組織の輝きをさらに大きなものとするために、ターゲットを絞った会員拡大が必要です。まずは、柔軟な発想と挑戦し続けることを恐れない風を組織へ吹き込むために、大きな伸び代と無限の可能性を秘めた若い会員の拡大、そして、あらゆる場面において女性のしなやかな視点が重要視される今日において、女性が輝く運動を展開するために、まちづくりにおいても、組織の活性化においても必要不可欠な女性会員の拡大が必要です。

行政、市民、企業、各種団体と広域的なネットワークを活用し、組織一丸となって情報の収集・共有を図ることで、地域に潜在するまだ見ぬ仲間を見出し、組織の新たな運動の推進力とするために、地道なれども諦めず、確実に相手の心に訴えかける足を使った会員拡大活動を行います。

出向の推進並びに各種大会への積極的な参加

2014年度、私は佐賀ブロック協議会に委員長として出向させて頂きました。この年が私にとってのターニングポイントとなり、この時の経験と成長のお陰で今年度の理事長を拝命するに至ったと確信しています。出向することによって得ることができるかけがえのない経験と、LOMの垣根を越えた多くのJAYCEEとの連携は「個」の成長を促し、組織の大きなチカラとして還元されます。また、成長の機会はブロックだけに留まりません。地区、日本とそのフィールドは広大です。LOMに主軸を置き、ブロック・地区・日本と連携していくことで、そこにある学びの機会を自らの手で掴みにいきましょう。

そして、JCの魅力の一つである京都会議やサマーコンファレンス、全国大会などの各種大会に一人でも多くの会員が参加して学びの機会を得るために、各委員会が担当の大会の魅力と主旨を調査し、全会員へ発信をすることで一人でも多くの会員が当事者意識をもって参加しようという雰囲気を創出します。

故郷への“感謝”を形にする

私たちの鹿島には、これまで永きに渡って故郷を支え、昨年ラムサール条約湿地にも登録された、いのちの海・有明海の干潟の魅力を活かした「鹿島ガタリンピック」。昭和37年、鹿島で起きた「7・8水害」によって疲弊した市民の心を支えた「鹿島おどり」。市民にとって思い入れのある桜の風景を後世に残していくために、日本の歴史公園100選にも選定された旭ヶ岡公園の桜の保全活動を行う「鹿島市桜樹保存会」。この故郷を、市民の心を支えてきた事業があります。

 私たちは、これからも創始の精神を継承し、先人たちのお陰で繋がってこられたことへの“感謝”を形にするために、一人ひとりが率先して行動し、より良い事業に発展させるべく市民を巻き込んだ参画をしていくことが故郷への恩返しだと信じています。

結びに

未来とは永遠に続く今の連続です。未来とは、過去を知り、今を生き、常に挑戦し続ける私たち青年にかかっています。「できるか、できないか」ではなく、「やるか、やらないか」。志を同じくする仲間と共に歩みを止めることなく活動できる組織の礎を構築し、私たちが手本となる大人の背中を見せることで、これからの未来を担う子どもたちへ、自分たちの住み暮らす国や地域に誇りを持って未来へのバトンを繋いでいきます。

やり直すことができない今を、一日一日を、青年である私たちが輝きを放ち、“感謝”の心を恩返しという形で具現化しながら、しっかりと一歩ずつ歩みを進めていきましょう。

《基本方針》